筍と温泉と夫婦
筍が美味しい季節になりましたね!
大分に来てから「筍」を口にする回数が増えたな~と、
なんとなく竹林面積の都道府県ランキングを調べたらビックリ。
大分県は、竹林面積がなんと全国2位!!
どおりでよく頂くはずです(笑)
林野庁の森林・林業統計要覧2022によると、2017年3月末現在の竹林面積は、
鹿児島県が約1万8千ヘクタールで全国1位。大分県と福岡県が約1万4千ヘクタール
で続き、熊本県が6位で約1万ヘクタールとなっています。
全国合計16万7千ヘクタールのうち、上記の九州4県だけで5万4千ヘクタール。なんと全国の約3分の1!すごすぎる!!
実は、筍は火山的地質に適しているそうで、事実、火山大噴火でできた鬼界カルデラの硫黄島・竹島・黒島は竹林で有名です。上記4県も火山や温泉で有名ですね。
また、筍の歴史は意外と古く、『古事記』に記されています。筍は、日本の古典文学史上、最初に登場する野菜でもあるのです。
日本国を造った男神・イザナギノミコトは、火の神カグツチの出産が原因で死んでしまった亡き妻の女神・イザナミノミコトがあきらめきれず、意を決して黄泉の国を訪れます。
イザナギの説得をうけ、イザナミは黄泉の国の神と相談するから、「そのあいだ、絶対にわたしの姿を見ないでください」と言ったにもかかわらず、イザナギはその約束を守ることができず、妻の姿を見てしまいました。妻の変わり果てた醜い姿にショックを受けたイザナギは、現世に逃げ帰ろうとします。
イザナミは「恥をかかされた」と怒り狂い、黄泉の国の鬼神や軍団総がかりで、逃げるイザナギを追いかけ、殺そうとした。
その時に、イザナギが逃げながら投げ捨てた櫛の歯が、タケノコになり、桃やブドウと共に追っ手を振り切う要因となったとされています。
筍が無かったら日本史が変わっていたということですね。
あと、女性を怒らせたらいかに怖いかが分かりま・・・って違いますね(笑)
そうではなく、イザナギが妻の言葉を守っていたらこんな悲劇は起こらなかったんです。
私達男性も、「自分だったらどうか」と考えさせられます。
古事記のような経験はなくても、
いざという時の言葉遣いや態度によって、夫婦も家族も友人も関係が大きく変わります。
火山のような言葉では火傷するし、氷山のような態度では凍ってしまう。
やっぱり『温泉』のように、温かい言葉遣いと心の奥から癒される態度が
普段から大切ですね。
思ったことを何でもそのまま発するのではなく、
筍が、“硬い”皮を何枚も剥いで、“あく(悪)”を取ることで、美味しく食べられるように、
相手のことを考えて、“柔らかく”、“きれいな(善い)”心で接したい。
そんなことを筍から教えてもらいました。
担当 T